エアコンを小まめに付けたり消したりする理由は電気代の節約が大半ではなかろうか?
しかし、「エアコンを付けたり消したりすると、付けっぱなしより電気代がかかる」という説がある。
これは本当なのだろうか?
ネットには様々な情報があふれているが、根拠はあるのだろうか?
検証してみた。

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エアコンを付けたり消したりする理由

ここでは夏場のエアコンについてです。
私の場合、湿度が高いと「除湿」、「除湿」はそれほどでもないが「温度」が高いと「冷房」にしている。
「除湿」と「冷房」とではどちらが電気代がかからないのだろうか?
これについては別の機会に取り上げたい。
一般的に夏場のエアコンは「冷房」を想定しているようだ。

エアコン

寒い!

私のエアコンは温度の設定が1度刻み。
普段28度に設定しているが、寒いなと思うと温度計が26度になっていることも・・・。
何故、設定温度より低くなるのか、その理由は分からないが、体が冷えるので、エアコンを切る。
しかし、しらばくすると湿度が上がり熱くなってくるのでエアコンを付ける。

外出時

1時間程、外出する時はエアコンを消す。
これは純粋に使っていないので電気代がもったいから。

これは、エアコンを付けたり消したりする範囲に入るのだろうか?

何故、エアコンを小まめに付けたり消したりするのはNGなのか?

ここでは、まず、一般的な見解を取り上げる。

一般的な理由

エアコンを小まめに付けたり消したりするのはNGな理由としてよく挙げられるのが、「エアコンは室温を下げて設定温度にするまでの間が一番電気代がかかる」からという主張。

しかし、この主張には根拠がない。
逆に付けっぱなしにした方が安かったという例もある。

エアコンを必要なときだけ付けた場合:887円
エアコンを24時間付けっぱなしにした場合:1,482円

※参照:こまめなオンオフは逆効果!夏のエアコン冷房、つけっぱなしの電気代と効果的な節電・節約方法

但し、これで「エアコンを24時間つけっぱなしにした」方が高い、とは言えない。

何故なら、以下の情報が不足している為だ。
必要なときだけ付けた⇒どういう間隔(何時間)なのか?
24時間付けっぱなし⇒私は寝ている間はエアコンは消している。

前述の記事では、以下の場合に、エアコンのつけっぱなしで電気代節約が期待できるとしている。

●ちょっと出かける場合
日中30分くらい家をあける場合などは、つけっぱなしにしたほうが電気代を安く抑えられる場合が多い
●外気温と設定温度の差が大きい場合
エアコンは室内温度を設定温度にするまでの間一番電気代がかかる。

しかしながら、いずれもこの主張には根拠がない。
語尾が「でしょう」や「場合もありそうです」と自信のない言い方になっている。

エアコンメーカーの見解

以下の記事では、エアコンメーカーに問い合わせて得た回答を記載している。
夏はエアコン24時間つけっぱなしが電気代が安い? 賢く冷房費節約

①「エアコンを無駄につけたり消したりを繰り返すよりは、連続運転し続けたほうが電気代がお得」
②「長時間の外出時はエアコンを消したほうがいい~一番損になるエアコンの使い方は、日中、会社などへ行って外出するにもかかわらず、エアコン冷房をつけっぱなしにすること」

但し、①の「無駄につけたり消したりを繰り返す」の具体的な内容(時間)、「長時間の外出時」の「長時間」とはどれくらいの時間なのかは不明。

エアコンを付けたり消したりするのがNGのは何時間?

建築会社のブログに以下の記述があった。

「外気の状態、家の断熱性能、室内の温度環境、気密度にもよりますが、目安としては、約2時間までなら付けたままの方が、消費電力が少なくて済むという統計が出ているそうです。」

残念なのは、”統計”とはあるものの、元ネタが不明な点。
※参照:2時間以内の外出ならエアコンは付けたままの方が節電に

しかし、これは1つの基準になるのかもしれない。
2時間以上の外出ならエアコンを消す。2時間以内の外出ならエアコンは付けっぱなしにする。

従って3時間以上の外出時は、消した方が得ということになる。

エアコンメーカーダイキンの見解

以下はexciteニュースの記事だが、ダイキンの見解が記載されている。
但し、記事は2012年7月31日付なので、現在は見解が変わっているかもしれない。
※参照:「エアコンはつけっぱなしの方が良い」は誤解?

一部、抜粋する。

「『こまめにつけたり消したり』というのは、何時間など具体的な目安があるわけではありません。というのも、エアコンは運転をかけ始めた際に、実際のお部屋の温度と設定温度との温度差をなるべく早く埋めるために、フル回転します。その後、設定温度近くになるとパワーを下げ、設定温度になるといったん冷風を作る動きをストップするのです。でも、一度エアコンを止めてしまい、部屋の温度が再び上がってしまうと、また設定温度との差を埋めるために最初からフル回転しなければいけないので、電力を使ってしまうんですよ」

要は、「部屋の温度と設定温度との温度差」が問題だということ。

そして、これを念頭に置くと、納得のいく話が続く。

「遮光カーテンなどで太陽の熱を抑え、室内の温度を保てる状況であれば、エアコンをつけっぱなしにしなくとも、立ち上げの電力はあまり使わないと思います」

これは、短時間の外出でも、室内の温度を保てるのなら、エアコンを切っても問題はない、という話だ。

前項では、「2時間以上の外出ならエアコンを消す。2時間以内の外出ならエアコンは付けっぱなしにする。」という見解が、「統計がある」という言葉を信じて、1つの目安になると考えたが、また振り出しに戻った感じだ。

結論

「エアコンをこまめにつけたり消したり」というのは、何時間など具体的な目安があるわけではない。

[1]エアコンは起動時に部屋の温度を設定温度に近づけようとフル回転する。この時に電気代が一番かかる。

では、どれくらいの電気代がかかるのか?
これに関しては、部屋の温度と設定温度の温度差によって異なる。

従って、小まめにエアコンを付けたり消したりするなら、付けっぱなしの方が電気代はかからない。

[2]長時間の外出では、エアコンを消した方が節電になる。
長時間の外出の「長時間」が具体的に何時間なのかは不明。

「2時間以上の外出ならエアコンを消す方が得」という統計があるようだが、根拠は不明。

短時間の外出でも、室内の温度を保てる状況であれば、消しても構わないとの見解もあるが、この場合の「短時間」が何時間を表すのかは不明だ。

長時間の外出では、エアコンを消すという前提で、エアコンを付けたり消したりする(その場合の時間)のと、付けっぱなしの場合とで、どちらが節電になるのかは、実際に調べてみないと分からない。
※これに関しては後日、実験結果を記事にしてアップの予定です。

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