「大学教授が科学的に考えた人生後半のマネー戦略 老後資金、55歳までに始めれば間に合います」という本が気になった。
私は現在、63歳だが、もう間に合わないのだろうか?
「老後資金、55歳までに始めれば間に合います」の内容(ネタバレ)
「老後資金、55歳までに始めれば間に合います」著者について
「老後資金、55歳までに始めれば間に合います」の著者は、榊原 正幸氏。
著者の経歴
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授。専攻は会計学。1961年、名古屋市に生まれる。1984年、名古屋大学経済学部卒業。1990年、名古屋大学大学院経済学研究科博士課程修了。1997年、東北大学助教授。2001年、レディング大学よりPhDを授与される。2003年、東北大学大学院教授を経て、2004年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
(「BOOK著者紹介情報」より)
榊原 正幸氏の最新刊『60代を自由に生きるための 誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話 」』(PHPビジネス新書/2023/1/14) では、以下の経歴の記載がある。(抜粋)
04年4月、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授。21年3月に退任し、東京・青山を拠点にしてファイナンシャル教育の普及活動を続けている。会計学博士。
21年3月に大学教授を退任している。
その為、それ以降の著書タイトルには「大学教授」という言葉は入っていない。
榊原 正幸氏の著書
榊原 正幸氏には以下の著書がある。
・60代を自由に生きるための 誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話 (PHPビジネス新書) 2023/01/13
・60歳までに「お金の自由」を手に入れる! (PHPビジネス新書) 2022/03/15
・現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書 勝率99%の科学的投資法 2020/10/27
・会計の得する知識と株式投資の必勝法 2019/02/01
・現役大学教授が実践している堅実で科学的な株式投資法 上昇期でも下落期でも勝率8割! 2018/03/20
・大学教授が科学的に考えた人生後半のマネー戦略 老後資金、55歳までに準備を始めれば間に合います 2017/01/24
・現役大学教授がこっそり教える 株式投資「必勝ゼミ」 (PHP文庫) 2009/08/03・大学教授が考えた「科学的投資法」 株は決算発表の直後に買いなさい! シンプルでローリスク、それでも資産1億円 2015/12/04
・その他
⇒榊原 正幸氏の著書(本)
「老後資金、55歳までに始めれば間に合います」内容(ネタバレ)
本書の内容を見ていくことにする。
本の内容
第2章:定年のないプチビジネス
第3章:金で「貯『金』」
第4章:株式投資-基本編とアクティブ投資編
第5章:株式投資-パッシブ投資編
第6章:不動産投資
第7章:老後について年段別に考えてみました
第8章:お金に関する完成についての新たな提言
「自宅投資」のすすめ
「自宅投資」というのは、不動産投資のような感覚で「自宅」を取得することを指した造語。
「老後対策」の一環として、自宅投資を推奨する。
定年のないプチビジネス
「プチビジネス」とは、「小さなビジネス=サイドビジネス(副業)」のこと。「定年のないプチビジネス」を持っておくべき。
金で「貯『金』」
「貯『金』」とは、金地金による貯金。
金地金は超長期的に価値を保存できる。←金にはインフレ対抗力がある。
1回に買う金地金は300gがおすすめ。
株式投資-基本編とアクティブ投資編
株式投資には、最強の資産増殖効果がある。
アクティブ投資とは、売買益(キャピタルゲイン)重視の株式投資である。
数百万円からスタートし10年~20年くらいで資産総額を1億円くらいにするのは無理ではない。
投資対象はA.財務優良企業とB.国際優良企業に絞る。
【財務優良企業】
②自己資本率が60%以上
③BPSと自己資本率の積数が1,125以上
【国際優良企業】
東証一部上場企業であり、かつ、次の条件を全て満たす企業。
②国際的
③知名度(注目度)がある
④財務安全性が高い
以上の中で、割安株・成長株を売買する。
株式投資-パッシブ投資編
パッシブ投資とは、受取配当(インカムゲイン)重視のパッシブ投資である。
パッシブ投資では、保有期間は概ね数ヶ月~数年となり、配当利回りは税込みで3~5%くらいを狙うのが賢明。
資産総額がある程度の規模(数千万円~1億円くらい)になったら、徐々に受取り配当(インカムゲイン)重視の投資に重点を移す。
【受取配当(インカムゲイン)重視のパッシブ投資の投資対象の選び方】
②安定株主比率が高く、安値における配当利回りが概ね3%以上(税込)
③配当額が低くなく、配当額のブレがない
④1日の出来高の平均値が概ね50,000株以上
不動産投資
【「老後対策」の一環に不動産投資を挙げる理由。】
②インフレ対策に資する
③相続性対策に資する
【不動産投資で気を付けなければならないこと】
①高値づかみをしない
②借金をしない
③キャッシュフローの管理を堅実に行う
老後について年段別に考えてみました
著者の人勢経験から「人生を生き抜く処世術」のようなものを書いている。
・40代に考えるべきこと、すべきこと
・50代に考えるべきこと、すべきこと
・60代に考えるべきこと、すべきこと
・70代に考えるべきこと、すべきこと
お金に関する完成についての新たな提言
ローンのない自宅はもちろんとして、金融資産が1億円か2億円ある、というのが老後の理想。
書籍タイトルの意味
改めて、書籍タイトルを反映した内容なのかをチェック。
本書の正確なタイトルは「大学教授が科学的に考えた人生後半のマネー戦略 老後資金、55歳までに始めれば間に合います」。
本書の内容とリンクしているのだろうか?
検証してみる。
●科学的に考えた
●マネー戦略
●老後資金
●55歳までに始めれば間に合います
大学教授
著者の榊原 正幸氏は2004年から2021年3月まで、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授であった。
従って、本書の出版当時(2017年1月)は、「大学教授」なので間違いはない。
科学的に考えた
「科学的に考えた」というのが、どの部分が良く分からない。
マネー戦略
「マネー戦略」として、株式投資に多くのベージを割いている。
老後資金
「老後資金」として、著者は「ローンのない自宅はもちろんとして、金融資産が1億円か2億円ある、というのが老後の理想」としている。
55歳までに始めれば間に合います
現在60歳を超えている私としては、ここが問題だ。
どういうことだろうか?
榊原 正幸氏は55歳から老後対策を始めた人は70歳*をメドとすれば、老後対策の準備期間は15年あるとする。
*著者は70歳を老後の本番と考えている。
70歳の老後本番の時点でどうなっていることが理想なのか?
著者は以下と考える。
・定年のないプチビジネスを持っており、税引き後で年間300万円くらいの所得を持っている。
・年金は夫婦で年間200万円(税引き後)くらいの所得を得ている。
・金地金の「貯『金』」が20年間で6kg(=約3000万円)
・保有株式6,000万円⇒手取り3%の配当所得⇒年間180万円
・時価1200万円のグロテン(グロスで10%の利回り)物件を5軒所有=資産規模6000万円⇒手取りで4%の不動産所得⇒年間240万円
「老後資金、55歳までに始めれば間に合います」内容【まとめ】
本書は2017年1月の発刊である。
既に5年経っており、本書で株式投資に関するデータ分析に多くのページを割いているが、まるで参考にならない。
著書は理想の老後を描いているが、あくまでも理想であり、著者自身が実現しているわけでもない。
著者は株式投資に関する本を何冊が発行しているが、優待株や投資信託には否定的。
投資信託に関しては「手数料が高い」と言うのが理由。
しかし、最近はやりのインデックス投資は「手数料が安い」のが特長だ。
いずれにしても、本書の内容は古く、また、内容は株式投資以外は著者が専門外ということもあり、内容が浅く、参考にならない。
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