長崎県対馬市にある「金田城(かねだじょう・かなたのき)」は、白村江の戦い(663年)直後に築かれた日本最古級の古代山城です。
国の特別史跡であり、続日本100名城にも選定されている注目スポットです。
本記事では、実際に登山して遺構を見学し、スタンプと御城印を入手する目的に特化して、アクセス・準備・口コミまでを徹底解説します。
今回、私たち(夫婦)はクラブツーリズム金田城・福江城ツアーで参加しました。
実際のリアルな口コミも補足してお伝えします。
金田城とは?
金田城は、朝鮮半島からの外敵に備えて築かれた「朝鮮式山城」で、防衛拠点として7世紀後半に築かれました。
約2kmにわたる石塁や砲台跡などが良好に残されており、古代~明治期の国防史を肌で感じることができます。(石塁の総延長は約3km、最大の高さは約7mとも)
アクセス・トイレ・駐車場情報
アクセス
対馬(つしま)空港または厳原(いづはら)港から車で約30分。
登山口には無料駐車場(約10台)があります。
普通車でもアクセス可能です。
対馬空港からの交通手段
交通手段 | 所要時間 | 料金 |
---|---|---|
路線バス(対馬交通) | 約30分 | 約710円 |
タクシー | 約18分 | 約2,800円 |
レンタカー | 約30分 | 5,500~8,580円/日 |
*調査時の情報です。異なる場合があります。
トイレ・自販機
・レンタカーは空港で借りられます。
・私はたちは対馬空港から金田城までマイクロバスで移動しました。
・登山口にはトイレ・自販機はありません。事前に済ませましょう。
*昼食に寄った「肴や えん」にはトイレがあったので利用しましたが、自販機はなし。但し、通りの反対側に自販機がありました。
登山ルート・所要時間・難易度
登山ルート
所要時間
ネットでは「登山口から石塁を経由して山頂までは約60分。往復で約2時間程度」という情報ですが、実際は大吉戸神社で引き返して2時間以上かかりました。ぐるっと1周するには「約2時間程度」はかなりタイトな時間だと思います。関本ガイドによると3時間程度かかるとのこと。
難易度
道は整備されており初心者でも登れますが、一部ぬかるみ・急坂もあるため装備は必須です。
ツアーに同行した関本ガイドによると、金田城のルートはかなり険しいとのこと。実際に難易度は高かったです。ツアーで1名、脱落者が出ました。
登山者の口コミ
ひゅうひゅうさん(Tripadvisor)
「レンタカーで登山口まで行きました。展望が良い所から山頂までは急登になりますが、景色は素晴らしいす。」maharuさん(じゃらん)
「1人ですれ違いもなく、山頂からの景色は独り占め。約45分で楽に登れました。」匿名口コミ(Tripadvisor)
「滑って転倒しました。登山靴推奨です。」体験談(じゃらん)
「斜面はゆるやかですが長く、終盤には絶景という“ご褒美”が待っています。」
スタンプ・御城印の取得方法
続日本100名城スタンプ設置場所
施設:美津島地区公民館(美津島文化会館)
住所:対馬市美津島町雞知甲1287-1
電話: 0920-54-4044(対馬市教育委員会文化財課 0920-54-2341)
開館時間:平日 8時45分~17時30分(職員対応)
土曜日、日曜日、祝日 8時45分~17時30分(管理人対応 12月29日~1月3日休館)
受付窓口にてスタンプ押印出来ます。
※スタンプを押せる施設が増設されました。
施設:観光情報館 ふれあい処つしま
住所:対馬市厳原町今屋敷672-1
電話: 0920-52-1566
営業時間:8時45分~17時30分(観光案内所)
土曜日、日曜日、祝日可(12月29日~1月3日休業)
続日本100名城スタンプ写真
[2]観光情報館 ふれあい処つしま(長崎県対馬市厳原町今屋敷672-1)※増設
御城印購入場所
観光情報館 ふれあい処つしま(長崎県対馬市厳原町今屋敷672-1)
御城印の写真
【通常版・石垣】値段:300円(税込)
【通常版・武者】値段:300円(税込)
※『ふれあい処つしま』にて【アンゴルモア元寇合戦記 元寇750年版】値段:500円(税込)も販売されていましたが今回は未購入。通信販売はしていないそうです。
登山時の持ち物チェックリスト
・撥水リュック(20L以上推奨)
・雨具(上下のカッパ)*傘は危ないのでNGです
・虫除け、帽子、日焼け止め
・飲料水(500ml以上)
・スマホ、モバイルバッテリー
登山ルート・駐車場
登山口までの道
24号線から登山口までの道はマイクロバスがギリギリ通れる幅です。
道の片方は崖?でガードレールはなく、慣れていないと怖いですね。
初めて運転するレンタカーでは、神経を使いそうです。
運転に自信のない方は、タクシー利用かツアーに参加するのが良いかもしれません。
駐車場
登山口に専用駐車スペースあり(3〜4台程度)。
マイクロバスも駐車可能。
途中から未舗装の道になり登山口へ到着。
約10台駐車可と書いているサイトもありましたが、素人目線では頑張っても5台がギリギリ、
マイクロバスは2台でいっぱいだと思います。
それに県道から登山口までの狭小道で対向車に出会ったらと思うと考えるだけでぞっとします。
実際登山口の手前の少しのスペースに駐車場と勘違いしたのか他の登山客のレンタカーが停まっていました。
安全に運転してくださったドライバーさんに感謝です。
トイレ・自販機
金田城は登山口及び登山ルートにトイレ・自販機はありません。
事前に済ませましょう。
グーグルマップ上には移動式のトイレカーが設置されている写真がありましたがこの時はわかりませんでした。
無いものと思って事前に済ませた方が無難です。
今回はツアーだったので重い荷物はマイクロバスに置いて最低限必要な飲物や貴重品だけ持って身軽に出発しました。
登山難易度と装備
金田城登山は急な坂や滑りやすい箇所が多く、難易度は高いです。
帽子、トレッキングシューズ必須。
傘は禁止。カッパが推奨。
杖はあった方が楽です。
飲物必須(少し多めに)。
携帯食(必要に応じて)。
電波は通じるところと通じないところがあるかもしれません。(登山口周辺ではゲームアプリ『ニッポン城めぐり』はポチっと押して反応しました。)
見どころ
2. 防人の道:歴史的軍道。
3. 石塁:朝鮮式山城の名残。
4. 城山砲台跡:旧日本軍の遺構。
5. 眼下の浅茅湾・黒瀬湾の絶景
金田城登山
金田城登山口
金田城登山口には杖が置いてあります(写真左下)。
マイスティックを持参されていない方にはお勧めです。
写真真ん中の小さなポストの中に金田城のチラシがあります。
いよいよ登城開始です
登山口の説明板です。
見学時間の関係上今回は大吉戸神社まで行って引き返す半分のルートを回ります。
フルに楽しみたい方は是非砲台跡や山頂を目指す中・上級者コースをチャレンジしてみてください。
個人差はありますが全部回ると3~5時間はかかるようです。のぼりの立っているこちらから入城します。よく見ると蜂注意の看板が!
倒木に注意
しばらく整備された道が続きますが倒木など注意が必要です。
日露戦争用に陸軍が作った軍用道路
旧日本軍が造った石の橋を渡ります。軍道が多く残るのも今となってはありがたいものです。
サワガニと
途中何回かサワガニとご対面!踏まないように注意!
ビューポイント
ビューポイントから望む黒瀬湾。素晴らしい景色に心が舞い上がります!
しばらくいくと分岐点があります。
まっすぐ軍道を進むと東屋などがあり、左方面は南門から山頂へ行く道もあるようです。
私たちは右に進んで東南角石塁へ進みました。
東南角石塁
所々崩れていますが1350年も前の石塁が見られるすごい場所です。
掘立柱建物跡
こちらは掘立柱建物跡。もしかしたら写真が前後しているかもしれません。この辺りで息がぜいぜい、汗だくで頭が朦朧としてきました。少し足がつりそうな気配がしたので早めにお茶と持参した岩塩を口に含みます。無理しないように、でも皆さんに遅れないように足元に気を付けて進みます。
長い石垣
右から左へかなり長い石垣が連なっています。
天気が良かったので暑かったですが爽やかな風も吹いていて心地よかったです。
空気がダンゼン良い!
金田城壁石垣
三ノ城へ
途中急な斜面もあり足を滑らせる場面もありましたが何とか三ノ城戸方面へ。
石垣
崖のように突き出た石垣に圧倒されます。かなり風化してますが良く遺っています。
帰りに下の道も通れますと言われましたが、帰りは体力がなくやめておきました。
足元に柱を入れていた穴の跡などもありましたが恐らくこれは近世の遺構。
三ノ城戸
アップダウンのある道をしばらく歩くと丸い自然石を積んだ壁が現れました。
ここが三ノ城戸ですね。左奥へ回るとこちらはまたすごいです。
素晴らしい!綺麗に積まれています!ここに城門があったかと想像するとワクワクします。
向かい側上から撮った図(進行方向を背にしています)。写真には写しませんでしたがこの地点で立っている右下に今にも崩れそうで崩れない大きな石があり、その奥にも道があります。ビングシ土塁の奥やぐるっと回って東屋方面にも行けるようですが私たちは二ノ城戸を目指して進みました。
急斜面・・ですね右手は黒瀬湾です。
狭い遊歩道から足をすべらせたら多分戻ってこれない感じです。
ビングシ土塁
ビングシ土塁までやってきました。
多分ここが土塁と思われる場所も通りましたが写真を撮る余裕もなくただひたすら歩きます。
ニノ城戸
途中ロープを伝い歩きしたり足元に杭が出ている箇所など少し危険を感じる場所もありましたが、ニノ城戸へ到着しました。
荒々しく遺った石垣と現代の修復の跡が見えます。
こんなにも大きな門があったのだと城の規模の大きさを思い知らされます。正面の階段を降りて下から見上げるように写真を撮れたら尚素晴らしさが伝わったと思いますが、疲れがピークに近くなりつつありましたので無理でした。(現在はこの下の道は進入禁止?)
ここへ来るまでにこまめに水分をとったりアメをなめたりして凌いでいました。
そしてなぜかポーチの中に芍薬甘草湯が1袋入っていたので神のおぼしめしと思い(笑)、飲んだおかげで足のつりもなくなりました。
一ノ城戸
一ノ城戸到着です。
一ノ城戸!よくガイドブックなどで見かけるこの大きな石垣が現れました。
下の方は自然石を積み上げ上部の方は目地を揃えた切石を積み上げた後世の修復らしいです。ここは日本?南国?と思ってしまうようなエキゾチックな印象を与えてくれます。
ここへたどり着く前にも道をふさぐようにシダ植物が生い茂っており、原始時代へ迷い込んだようにも感じました。
大吉戸神社
先程見かけた矢印の通りこの下の海の方向に鳥居があり、そこへ向かいます。
下へ降りるということは帰りは登るということですね(苦笑)。少し開けた場所に降りました。海が目の前ですが湾になっているので波はたっていません。
大吉戸神社へ旅の無事を感謝してお参りをします。
小さなお社ですがとてもありがたい気持ちになりました。
お賽銭箱がなかったので申し訳なかったのですが扉の前に小銭を並べて置きました。内側から海を眺めるとキラキラしていました。
この後私たちは来た道を戻ることになります。実は登山開始後すぐに1名が体力的に無理と判断し添乗員さんと一緒に登山口へ引き返されました。その方はバスの中で待機していていただいて、添乗員さんは私たちを追いかけてこられ、合流できたのは三ノ城戸の大きな石の辺りでした。実はまたそこで先に進んでいた別の1名が東屋方向への分岐を間違えそうになったのを大声で呼び戻してくださり事無きを得ました。丁度良いポイントで出会った添乗員さんが女神のように思えて、帰りの最後尾を歩いてくださったガイドさんが仙人のように見えました。プチハプニングがいくつかありましたが無事に登山が出来て本当に良かったです。
周辺観光スポット
・万関橋:海峡を望む絶景スポット
・烏帽子岳展望台:360度のパノラマビュー
・対馬市歴史民俗資料館
🏨 周辺おすすめホテル一覧(厳原エリア)
ホテル名 | アクセス | 客室タイプ・特徴 | 料金目安 |
---|---|---|---|
東横INN対馬厳原 | 対馬空港から車20分/厳原港より徒歩10分 | ビジネス&観光に便利、朝食無料 | 約5,512円~/人~ |
ホテル ベルフォーレ | 対馬空港から車15分/厳原中心街すぐ | 無料Wi-Fi&充実アメニティ | 約5,000円~/人~ |
宿坊 対馬西山寺 | 対馬空港から車20分/厳原港から車10分 | 宿坊ならではの静かな環境、評価高 | 約6,000円~/人~ |
ホテル対馬 | 空港から車20分/厳原港から車3分 | 24時間対応、駐車場無料 | 約4,000円~/人~ |
対馬グランドホテル | 対馬空港から車10分 | 温泉・大浴場ありのリゾートタイプ | 料金変動あり |
*上記の情報は目安です。
東横INN対馬厳原
私たちは「東横INN対馬厳原」に宿泊しました。
「東横INN対馬厳原」は、通りを隔ててマックスバリュー、徒歩3分程度のところに「観光情報館 ふれあい処つしま」などがあり、便利です。
*「東横INN対馬厳原」について詳しくは「東横INN対馬厳原」宿泊体験記をご参照下さい。
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金田城・金石城・福江城
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その他の城跡
金田城・金石城・福江城以外の長崎県の城跡・御城印・スタンプ関連記事は後日、投稿の予定です。FAQ(よくある質問)
Q1:金田城は初心者でも登れますか?
A:整備されており、登山靴があれば安心です。
Q2:登山口にトイレはありますか?
A:ありません。事前に済ませておきましょう。
Q3:雨の日の登山は可能ですか?
A:可能ですが、滑りやすくなるため非推奨です。
Q4:見学・登山は有料ですか?
A:無料です。
Q4:熊は出ますか?
A:対馬にはツキノワグマなどのクマは生息していません。
金田城の登山ではクマに関する心配は基本的に不要です。
まとめ
金田城は、登山・歴史・絶景のすべてを味わえる貴重なスポットです。
続日本100名城スタンプと御城印を集めている方、古代の城跡に興味がある方にとっても満足度の高い場所です。
体力に合わせた準備と装備で、安全に訪問しましょう。